歯科医院インタビュー
【パール歯科クリニック】院長 大原 健一 先生






大学進学のときに学部を決める上で、将来の仕事を考えると、相手に「ありがとう」と言ってもらえるような職業がしたいと思っていました。候補がいくつかありましたが、自分の適性なども考えて、歯科医になろうと決めました。僕は親戚などに誰も医療関係者がいなかったですし、まったく何の予備知識もありませんでしたが、歯科の場合、治療することですぐに痛みがなくなるなど、劇的に症状が改善することもあるので、印象として、歯医者さんの存在意義がわかりやすかったのだと思います。


世田谷区は魅力的な場所が多いですが、副院長で妻(大原庸子先生)の出身が浜田山なので、その周辺でいくつも候補地を探して下高井戸になりました。開業は平成14年のことです。また、お母さんやお子さんをメインにしたいという思いもあり、オフィス街ではなく、保育園や幼稚園などが多い商店街みたいな場所を探しました。このビルは上も病院ですし、メディカルビルみたいで良い場所に開業することができました。


自分の子どものこともありますし、今まで歯科治療をしてきて、とくにお子さんは治療で症状が改善したときの喜びようは格別です。お母さんも一緒に喜んでもらえるので、倍の喜びが伝わりますし、治療が全然痛くなかったとか感想を聞いたときには僕も非常にうれしく思います。そういう喜びは僕の喜びでもあるので、大人の治療よりも大変な部分は多いのですが、お子さんをメインにしています。決して、大人の歯科診療が少ないわけではないのですが、そういうスタンスで診療をしてきた結果として、口コミなどもあり、お子さんの診療が増えていっ
たということです。実際、近所の小学校の2/3くらいの児童たちが当院に来院いただいています。

それに、子どもの場合はこれからの人生も長いですし、予防していくという意味でも、小さい頃から歯科医院で歯のお掃除をするだけでも健康な状態を保ちやすいという効果も大きいと思いますし、そういった機会に歯磨きなどの訓練も学んでいただきたいと思っています。

歯並びについても、理想は矯正をしなくても歯並びに問題がないことですから、そのためには、1歳くらいには歯科医院で診療をして、歯並びが悪くならないように指導を受け、歯が生え変わる6歳くらいまでの状況によっては、うまくいけば矯正をしなくて済む場合もあります。歯並びの良し悪しに関しては、遺伝的な要因が半分、生まれてからの環境が半分といわれています。そこで、6歳くらいまできちんと歯科医院の指導のもと、食事や食べ方など、歯並びに関する訓練を続けていれば、50%程度は矯正治療を回避できるというわけです。こうしたことは、まずお母さんが知識として知らないと、赤ちゃんを歯科医院で診てもらう必要性がわかりませんので、お母さんとのコミュンケーションも大切


今は2ヶ月に1回くらいのペースで開催しています。副院長の庸子先生、当院の勤務医、そして歯科衛生士がローテーションで2人ずつ組んで、テーマを決めて行っています。テーマについては、お母さんの知りたいこと、それから、知っておいてほしいことを情報提供できるようにしています。


また、副院長は杉並区の7校ほどの小学校の校長先生やPTAのお母さんにお集まりいただき講演したり、小学生を対象に出張講演も行っています。出張講演では、食育を主なテーマにしており、実際に物を食べたり実体験も交えながら講演をしています。たとえば、巷では、20回咬みましょうとか、30回咬みましょうといったことが言われていますが、豆腐でもそんなに咬む必要があるのかといったら、それは違うと思います。よく咬むことは決して悪いことではありませんが、漠然とではなく、なぜなんだろうという問題意識をもった形で説明をすることが丁寧なのかなと思います。こうした機会を通して、歯科に対する関心をもっていただけるとうれしいですね。


基本的には、歯科医と歯科衛生士の各1名が同じ患者さんをずっと診療するようにしています。ただ、患者さんの希望もあると思いますので、その辺は柔軟に対応しています。また、歯科医の目と歯科衛生士の目、両方で診ることで、診療の精度が高まるというメリットもあります。
やはり、担当制にすることで、患者さんとのコミュニケーションもスムーズになり信頼感を築きやすいですし、治療の履歴や経過なども経験的に知った上で診療できることは、患者さんにとっても私たちにとってもプラス面が大きいと思います。


歯軋りとか食いしばりで悩んでいる方は多いですね。診てみると、歯がとても削れているのですが、半分以上の患者さんは、自覚もないし、他の歯科医院で指摘されたこともないということを聞きます。歯軋りをする方は、まず歯が削れていますし、歯茎側の歯の際が欠けているケースが多いです。それから、歯がしみるという症状ですね。虫歯じゃないかと来院されるのですが、歯軋りが原因で知覚過敏になっているというケースが多くみられます。

知覚過敏は歯槽膿漏が要因の場合もありますが、歯軋りが原因で知覚過敏を起こしてしまうということも多いです。つまり、歯軋りをすることで歯茎の際に強い負荷がかかり、歯が削れる代わりに歯茎が減ってしまえば、歯の根っこの部分が出てきてしまい、知覚過敏を起こしてしまうということです。

とくに大人の歯軋りはストレスによるものが大きいのですが、歯並びが影響している場合もあります。歯並びが悪いと自覚がなくても潜在的に噛み合わせの悪さがストレスの要因になり、歯軋りをしてしまうという説もあります。実際に歯並びの悪い方には、歯軋りをする方が多いという統計が出ています。歯軋りを治すために、ストレスを無くせといわれても、それは不可能に近いと思いますが、歯科医師としては、歯並びが悪いならば、それを治すことで要因のひとつを解消することにはなるのかなと思います。


心がけていることは、治療方法をこちらで決めないということです。これは絶対です。つまり、治療に対してのいくつかの提示をして患者さんに選択していただくということです。提案はひとつではなくて、必ず、いくつか提示します。もちろん、患者さんには選びきれない方もいらっしゃいますので、一つ一つの提案について、メリットもデメリットも含めて詳しく説明をします。

たとえ私自身がこうした方がいいという考えがあったとしても、それをお伝えた上で患者さんが今はその治療はしないという決断をされたのであれば、それは尊重しなければいけないことだと思います。要するに、患者さんご本人が納得した上で進められる治療により満足度や安心感を得ていただかなければいけないと考えています。


家では、歯磨きのときにぜひやっていただきたいのがフロスです。フロスは難しいという方も多くて、まだまだ使用率は高くないのですが、慣れてくるとフロスをしないと夜、眠れないという方もいらっしゃいます。歯ブラシだけでは取れない歯間の汚れを取ることもできて効果的です。

なかなか慣れないという方は、毎日じゃなくても、全部の歯じゃなくてもいいので、できる範囲で始めていただくだけでも違うと思います。よく聞くのが、マウスウォッシュを使っているから大丈夫というお薬頼みの方がいるのですが、それだけでは無理がありますね。


お勧めはキシリトールのタブレットとキャンディーロールポップですかね。この2つは作用が違うので両方摂っていただくのが一番いいのですが、どちらもすぐに効果が出るというものではなく、継続していくことが大切です。 キャンディーロールポップは、虫歯菌自体を減らす作用があります。10日間連続で摂取すると、数ヶ月間の効果が持続します。摂取する期間も短いので成功する確率は高いのですが、見た目がキャンディーなので、それを寝る前に舐めるというのに違和感を覚える方は少なくないかもしれません。まだまだ認知度の低い商品なので、歯科医院で取り扱っているところもそれほど多くはありません。

キシリトールは、虫歯菌が酸を出さないように代謝を抑えてしまうという効果があります。虫歯菌の代謝を抑えるという体質的な変化を伺すものなので、漢方のように、長期的に摂取し続けていく必要があります。そこで、何ヶ月も、毎食後にキシリトールを摂り続けるというのが大変と感じられる方もいらっしゃるようです。

キシリトールのタブレットもキャンディーロールポップも食後に摂ってください。歯磨きをするならば、歯磨き後が効果的です。どちらも言ってみればお薬ですから、摂取した後に飲食や歯磨きをすると成分が流れてしまいます。


最終的には、各専門分野のプロフェッショナ
ルを揃えた歯科医院にしたいですね。歯磨きのプロは歯科衛生士さん、治療のプロは歯科医師さん、子守のプロは保育士さん、食べ物のプロは栄養士さんといった具合にスタッフを揃えて、チーム医療で対応できることがベストだと思います。歯科医師でもさらに専門分野を細分化できますからね。それもできるといいですね。


【歯科医院データ】

院 長 
大原 健一 先生

神奈川大学大学院卒業。博士号取得。神奈川県内の歯科医院に勤務後、医療法人赤羽歯科に入社。2002 年7月、パール歯科クリニック開院、現在に至る。ミニインプラント認定コース修了、歯科医臨床研修指導医、Orthodontic Treatmentand Myofunctional Therapy 修了、Laser Clinical Training Seminar 認定、POI インプラントSystem 修了、Star Hill Therapy Association(顎拡大療法)会員、Paragon Implant System Acomprehensive training program 修了、World Clinical Laser institue 修了。

パール歯科クリニック
【最寄駅】
京王線/東急世田谷線 下高井戸駅 徒歩3分
【住所】東京都世田谷区赤堤5-32-2
【TEL】03-5300-6480
【URL】http://www.pearl-shika.com/
【診療科目】一般・小児・矯正・口腔外科・審美・予防・インプラント