歯科医院インタビュー
すみとも歯科クリニック 院長 住友朱里 先生

 

 ■開業までの経緯を教えてください。
2009 年
11 月に主人と開業しました。上町駅前という場所柄、人通りもあるという立地の良さもありますが、地域に根ざした形で地元に受け入れていただきたいという希望をとくに強くもっていました。

主人はインプラントと矯正という専門性の高い治療分野に特化していて、私はお子様からお年寄りまで幅広い年齢層の患者さんとコミュニケーションをとりながら歯のトータルケアをしていきたいというスタンスで、お互いの方向性には違いがありました。そこで、まず開業場所としてどこがいいのかなかなか決まりませんでした。しかしながら、いざ場所がここに決まると、無理にお互いの方向性を合わせるのではなく、逆にお互いの特性を生かして連携をとり、患者さんのニーズに柔軟に対応できる歯科医院にしていこうという方向性が見えてきました。

今では、お子様からご年配の方まで幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいますが、とくに女性の患者さんが多いですね。主婦層の方の割合が高いと思います。

 ■貴医院の特徴は何ですか?
予防歯科です。歯周内科といいまして、お薬を使って口の中の除菌をします。口の中にいる菌は様々ありますが、その人によって菌の種類は個々違います。虫歯治療にしても、インプラントにしても、どんな治療をする上でも、まずは、患者さんご自身に自分の口の中にいる菌の種類を知っていただき、現状を把握していただくことで効果的な治療やご希望の治療が行えるようになると考えています。まずは、そこが一番、大切だと思います。 せっかく治療をしても、お口の環境自体に目を向けていないと、根本的な改善を見込むのは難しくなってしまいます。そこで、まずはお口の環境を整えて予防してから、治療に入っていただくというのが希望です。

もし虫歯で当院へ初めていらっしゃる機会があった場合には、その後は治療ではなく予防のためだけに来院できるようになっていただけるのが理想です。そこで、この虫歯治療が、その患者さんにとって最後の治療にしたいという気持ちで治療を行っています。やはり治療を何度もしていただきたくはないですし、定期的なメンテナンスだけをしていれば、お口の健康が保てるという状態を作っていくことを目指しています。とにかく、予防というのが大切だということを知っていただき、デンタルIQ を上げていただきたいと願っています。歯の健康に対する知識は、学校で教えてもらえるものではないので、患者さんとのコミュニケーションの中でいろいろとお伝えしていきたいと思いますし、来院されたのをきっかけに、ご自身でも意識を高くもっていただけるようになればうれしく思います。

それに、ご自身で歯磨きをいくらしっかりされていても、100%汚れを落としきることは無理なのが現実です。ご自身で100%きれいに磨けたと思うときでも、実際には10 ? 15%の汚れが残っているといわれています。そこで、その状態が3 ヶ月とか半年続けば、どうしてもプロによるお掃除が必要になってきます。プロによる定期的なお掃除によって、予防効果を維持することができますし、結果的に治療によるお金と時間を節約していただけると思っています。

■位相差顕微鏡を使った診療ついて教えてください。
位相差顕微鏡とは光の屈折を利用することにより、プラーク(歯垢)の中の菌を検査できる顕微鏡です。一番悪い菌というのは特徴的な形をしていますので、それにターゲットを当てて、その菌がいれば除菌をお勧めしています。除菌をすることで、歯周病になりにくい環境がつくりやすくなります。

ただし、いくら除菌をしても、スプーンの使いまわしなどでも菌は入ってきますので、患者さんの生活環境などによっては、口の中の菌の繁殖の仕方もまったく違ってきます。そういった状況も考慮した上で、お勧めするようにしています。

■どのような症状の患者さんが多いですか?

歯ぐきの腫れや痛みなどの悩みをお持ちの患者さんは多いですね。歯石取りでもいえることですが、歯周内科治療による除菌をしてから歯石取りを行った場合と、除菌をせずに歯石取りを行った場合では、歯ぐきの色艶や張り具合がまったく違います。除菌をしていると、歯周ポケットがぎゅっと引き締まって、歯石の付き方も軽減されるので予防効果も高まります。

■診療で心がけていることは何ですか?
患者さんの話を聞くことですね。診させていただくと、いろいろと気づく点が出てきますが、まずは、患者さんが一番気になっている部分をしっかりと対処するようにしています。そして、私自身が決めてしまわないということです。たとえば、この歯は抜くべきですと一方的な治療方法を押し付けるのではなく、状況をきちんとお伝えして、患者さんの納得のいくところで、最善の治療は進めていくように心がけています。

■歯の健康を維持するために大切なことは何ですか?
かかりつけの歯医者さん、ホームドクターをつくって、自分の口の中をよく知っていただくことだと思います。歯周病が進んでいるとか、虫歯になりそうなところがあるとか、現状を知ることで適切な治療法や定期検診の期間も決まったりしますし、歯磨きの仕方も変わってきます。

■自分でできるオーラルケアがあれば教えてください。
歯磨きのときはブラッシングだけではなく、ぜひフロスもやっていただきたいですね。ウルトラフロスというのがあるのですが、とくにフロスが難しいと思われている方にお勧めしています。お母さんがお子さんにフロスをしてあげるときにも、非常に使いやすい道具です。

もうひとつは、デンタルトリートメントです。当院では、MI ペーストとホームジェルという予防ケアグッズをお勧めしています。食事をした後は虫歯菌が酸を出していて、口の中のpH 値が下がってしまいます。そうすると、カルシウムが抜けていっていきます。そういった状態のときに、フッ素というのは抜けていったカルシウムをガチっと組み込ませて歯を強くするのですが、MI ペーストというのは抜けていったカルシウムやリンのパックになります。

歯磨きの後にMI ペーストを塗って少し置いていただくと、カルシウムが充満しているので、抜けていったカルシウムが戻っていくという作用がありますし、歯がツルツルになります。同様に、歯磨きの後にホームジェルを塗ると、フッ素が歯に浸透し歯質を強化する働きや菌の増殖を抑える効果もあります。

■どんな歯科医院を目指したいですか?
「地域いちばん」という言葉を使っているのですが、地域に根ざしたサービスを充実させた歯科医院を目指していきたいです。

それから、お子様の予防にも力を入れていきたいと思っています。そのひとつが、フッ素によるうがいです。フッ素は塗るのもいいですが、うがいのほうが効果が高いので、お子様向けにフッ素の入った水でうがいをしてもらうといった無料企画や、実際に歯科器具を触ってもらって治療をする疑似体験ができるイベントなどを実施したいと計画中です。ほかにも、私たち歯科医療に従事している者にしかできない企画をはじめ、たくさんの人とのつながりと交流をもてる企画をいろいろと考えていきたいと思います。

【歯科医院データ】
院 長
住友 朱里(すみとも・じゅり)
東京都出身 神奈川県桐蔭学園卒業。昭和大学歯学部卒業後、同大学歯科病院の第3補綴学講座に在籍。その後、2年間、米国ロサンゼルスに在住し、女児を出産。日米の医療歯科事情の格差を実感する。帰国後、都内で勤務医を経て、開業に至る。

インプラント&矯正担当
住友 栄太(すみとも・えいた)

高知県出身 高知追手前高校卒業。昭和大学歯学部卒業後、同大学歯科病院第3補綴学講座在籍。主にインプラント治療およびインプラントの動物実験を行う。その後、米国ロサンゼルスのUCLA 歯学部に2 年間留学。歯周病予防、インプラント治療を専攻。現在は、都内の複数のインプラントセンターにて数多くのインプラント治療などを行う。

すみとも歯科クリニック
【最寄駅】東急世田谷線 上町駅 徒歩0分
【住所】東京都世田谷区世田谷3-13-11
【TEL】03-5799-6668
【URL】
http://www.sumitomo-dc.jp/
【診療科目】一般、小児、予防、インプラント、矯正、審美、ホワイトニング、歯周病治療ほか